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【厚労省による補助金運営の不正発覚に関する全国医師連盟執行部の見解】

厚生労働科学研究費補助金の外部評価委員に対して、厚労省担当者が特定の研究に対する評価点数を水増しするよう要請していた事実が各種報道により判明した。巨額の社会保障費を管轄する厚労省の運営体質が信頼出来ないことが明らかとなった。

科学研究費補助金は、競争的資金であって、公平な評価に基づいて交付されるものであり、厚労省の判断で行われる研究費の補助は本来別枠の予算を設けるべきである。管轄元の厚労省が特定の対象者の研究に対して加点するよう外部評価委員に対して要請していた事実は、事前評価委員会の意義を蔑ろにし、国民と研究者の信頼を裏切るものである。

事実が発覚した後、厚労省は審査を白紙に戻してやり直すと説明しているが、謝罪の表明や、真相を究明するといった報道はなされていない。公平であるべき科学研究費補助金の審査において、厚労省の担当者が加点を要請した行為は、一見公平にみえる委員会を隠れ蓑にした、典型的「審議会行政」である。この報道が正しければ、本件は、国の財政を歪める重大な行政法規の違反であり、詐欺的で職権を著しく逸脱している。

このような行為の発覚に対して反省が表明されないことは、厚労省自体の体質を現すものであり、厚労省には、管轄する巨額の社会補償費をはじめ、大きな制度や予算を動かす当事者能力はない。中医協での診療報酬決定過程や医療事故調査委員会の創設に関しても、同様の疑念が生じる。

全国医師連盟は、厚労省が今回の不正の真相を究明するだけでなく、恣意的な審議会運営を防止するため、各種審議会の委員選定から審査の過程等を随時公表することを求める。

平成21年3月20日 全国医師連盟執行部


参考
科学技術関連予算には、大学や研究機関に通常の運営経費として交付される予算の他に、競争的資金がある。この競争的資金は科学技術関連予算の約13%を占めており、 公平な評価システムに基づいて、研究機関や研究者の特定の研究に対して国の補助金として交付される。今回の厚労省管轄の厚生労働科学研究費補助金は、 文科省の外郭団体である学術振興会による科研費に次ぐ、競争的資金であり、年額約500億円である。

報道記事
 科研費審査:点数水増し 外部委に厚労省要請
 科研費審査で点数水増し 厚労省担当者、外部委員に依頼
 点数水増しで採用白紙に=科研費審査に厚労省肩入れ
 厚労省、外部委員に加点依頼 科研費審査巡り担当者