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中央社会保険医療協議会(中医協)公益委員再任の不同意に関しての見解

2月23日の参議院本会議で、政府が提示した国会の同意人事案について採決が行われ、中央社会保険医療協議会の委員3人のうち、野党各党の反対により、刑法学者の前田雅英氏が不同意とされました。

全国医師連盟執行部は、政府が前田雅英氏の中医協公益委員再任の承認を国会に求めた経緯について、納得できない部分があると考えています。同氏は刑法の専 門家であり、戦後日本の犯罪統計解析をもとに、少年犯罪について積極的に提言を行ってきた学識経験者です。その専門領域を考慮すると、我々は、同氏が、診 療報酬を決定し、医療保険制度のあり方を定める中医協の公益委員にふさわしい人材だと考えることができません。

また、前田雅英氏は、医療界がその帰結に注目している「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」において座長を務めています。同 検討会の運営においては、民主党案、全医連試案といった対案を無視したり、パブリックコメントの内容を議論に反映できていなかったりするなど、公平さを欠 いていると思われ、医療関連論議での調整能力には疑問を呈さざるを得ません。

政府が、中医協の公益委員として、学識経験者の中から、何故、刑法学者を選択したのかその理由が不明です。他の学識経験者の委員らの専門分野は、財政経済 学、社会学、公共政策学等であり、いずれも医療政策に関する見識を期待して選任されたものと理解されます。選任理由を明らかにせず、国会承認を求めること は、白紙委任を迫るのと同じことであり、民主主義の精神とは相容れないと考えます。政府には、その選任の基準を明らかにし、選任過程を公にすることを望み ます。同様に、不同意とする政党も、可能な範囲で、その理由の明示がなされることが望ましいと考えます。

中医協の委員は、適正な医療費を確保する見識を持ち、医療従事者の過密労働や訴訟圧力による萎縮医療の拡大という現状を正しく把握できることが必要だと、全国医師連盟執行部は考えます。

また、医療関連審議会の公益委員に法学者を迎える場合は、医療が不可避的に死傷等の結果が生じる分野であることや、システムエラーの原因究明のためには事故当事者に刑罰を科さないことが世界の趨勢であることを理解している人物が任命されることが必要だと考えます。

今後、中医協公益委員をはじめ、国会承認人事の選任に当たっては、明確な基準の下で、選任過程の透明性が確保され、慎重な人選がなされることを切望します。

平成21年3月2日 全国医師連盟執行部