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代表からのご挨拶

時代が要請する医師新組織として、全国医師連盟は本日設立されました。

全国医師連盟は、医師会、教授会と異なる医師の新機軸として、医療新時代を築きます。

 戦後日本では、医師のギルド組織として新生日本医師会が、開業医を組織し、全国津々浦々まで医療を展開し地域保険に貢献し てきました。一方で昭和50年台には一県一医大体制が出来、医療技術の革新もあり、開業医ではなく大学病院を頂点とするアカデミアができあがりました。日 本の近代医療史の中で、開業医を中心としたギルドと、医学部教授・学会重鎮を中心としたアカデミアは確かな歴史的位置づけを持っていました。 しかし、 皆さん、現代はどうでしょうか?

 果たして、これらのギルド、アカデミアは、現代の医療環境の変容としっかりと対峙し、医療再生の道筋を掲げているでしょうか。二重三重の代議制によって老朽化してはいないでしょうか?

 改めて言います。時代は、医療再生を目指し、医師と医療の真の社会貢献を目指す、第三の新機軸として、全国医師連盟を登場させたのです。

 私達医師は、1998年以降の医療事故報道の増加や、医療訴訟の増加に危機感を感じていました。医療崩壊と言われる医療現場の中で、良い医者になることが本当に難しい時代になっているのを感じています。 私達は、医療技術の専門家として、健康を支える癒し人として、これまで社会に貢献してきました。私達は、ある種の競争の中 で、医学部に入学し、6年間の医学教育を終えた後も、10年以上の月日を文字通り、血と汗と涙の研修を乗り越え、一人前の医師になるために修練を積み重ね てきました。私達は、体力の続く限り、診療技術を学び研鑽し、あるいは精力的な医学研究を行い、世界と競争しながら、自らの知識と技術を深化させてきまし た。 ですから、私達には、自信があるのです。

 WHOが認める世界一の医療を、OECD先進国一の安い医療費で成し遂げているという実績があります。

 医学医療技術者として、国際競争力を持つ、私達医師の力を活かせば、創薬研究も、診療技術開発も、再生医学も、一般診療レベルも含めて、医学先進国としての日本の力を発揮することが出来るはずなのです。 医療費を無駄金と考える思潮は、改めるべきでしょう。私達、医学医療の力は、患者さんを元気にするだけでなく、市民を、また社会を、元気にする事も出来るのです。

 さて、医療を再生しなければいけません。

全国医師連盟は、三つの課題に挑戦致します。

診療環境の改善と、医療情報の啓発、そして法的倫理的課題の解決です。

 まず、何よりも、診療環境の改善を訴えます。医師が寝不足で、あるいは、診療所経営が苦境に陥っていては、より安全な診療は行えません。医師が、心のゆとりを持てる環境でなくては、患者さんの苦しみや痛みを真に共感する事は出来ないのです。

 次に、私達は正しい医療情報を積極的に発信しなければなりません。医療の現実をその過酷さも含めて正しく伝えるべきです。また、医師の信頼を勝ち取るためにもメディアや政治家、国民に医療情報を発信していかねばなりません。

 三番目に、法的倫理的課題があります。これも重要な課題です。

救命活動時の部分刑事免責と患者家族救済制度の設立をセットで実現すべきでしょう。これによって、患者さんが救われ医師も救われるのです。

 さあ、皆さん、

医療崩壊としっかりと対峙し、医療新時代を作るため、全国医師連盟に参集を呼びかけて下さい。

作ろう、医療新時代。

平成20年6月8日 全国医師連盟代表 黒川衛