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新型インフルエンザワクチン接種に関する声明


新型インフルエンザワクチン接種に関する特別措置法案には、補償と免責が不可欠

政府は、10月1日に発表した新型インフルエンザ対策の基本的対処方針において、【新型インフルエンザの発生は、国家の危機管理上重大な課題である】との認識を示し、【感染拡大を防止し、基礎疾患を有する者等を守り、患者に対する適切な医療を提供するため】の複数の措置を提示しています。なかでも新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン接種を重要な柱として位置付けていますが、新型インフルエンザワクチン接種による健康被害対策については、【必要な救済措置を講じることができるよう検討を行い、速やかに立法措置を講じる】としているだけで、その詳細を明らかにしていません。

全国医師連盟は、この政府の基本的対処方針を評価します。しかし同時に、新型インフルエンザ対策における特別措置法には、ワクチンの副反応など望まないできごとにあわれた方への十分な救済と、ワクチンの製造から接種までに従事する関係者の免責を規定することが必要不可欠であると、強く訴えます。

本来、感染症に対するワクチン接種は、多くの国民の生命を守るという国家安全保障の一環として行うべき施策です。これは、少数の有害反応が生じることを前提に、社会での蔓延を減少させ、結果的に社会に利益を生じさせるということが目的です。

国家安全保障上の施策として行われる予防接種事業では、自己負担を軽減し接種を広く行き渡らせる必要があります。また、不幸にして有害反応に巻き込まれた個人への充分な救済が必要であり、これらのことを抜きにして、国民の理解と協力は得られません。そして、重篤な有害反応が起こった際、医療従事者や製薬会社が損害賠償で訴えられることになれば、予防接種事業の普及は妨げられます。アメリカやフランスなどでは、不幸にして有害反応に巻き込まれた個人のための保険(無過失保障制度)が用意され、ワクチンに関する免責(国が訴訟を受けつけないとする)制度が敷かれています。

私たちは、ワクチン接種に起因した死亡や健康被害を受けた方たちへの無過失保障制度による適正な給付金の支給について十分な配慮を求めます。また、国家安全保障上の重要な施策となるワクチン接種事業に協力した関係者への民事・刑事上の免責の明確な規定を求めます。

今回の新型インフルエンザ対策を端緒に、この考えを予防接種全般に拡げることが、世界的に見てきわめて立ち遅れているわが国のワクチン行政の改善につながるものと考えます。

平成21年10月19日 全国医師連盟執行部