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「医療の安全確保と診療の継続に向けた医療関連死および健康被害の原因究明・再発防止等に関する試案」――全国医師連盟試案の概要

 我々の試案では、現行法体系の基本法を大きく変えないという制約の下で提起した内容であり、現実的な折衷案として、患者側の求める医療の安全確保と、医療者側が求める診療の継続(診療環境整備)のバランスを考えて策定したものです。
 医療安全調査委員会による、医療事案の原因究明、再発防止を目的とした調査を、医療訴訟(刑事訴訟)に前置することで、患者・家族側の求める「真実究明」の手助けとなり、同時に医師側の「訴訟不安」を軽減出来るものとなっています。
 また、医療過誤の有無に関係なく、予期せぬ患者の死亡に際して患者・家族を社会的に救済する為の患者家族救済制度の設立を提起する特徴的なものとなっています。

 全国医師連盟試案での医療安全調査委員会では、最終調査報告を個人情報の保護に配慮しつつ社会に公表いたしますが、医療従事者の供述内容については公表致しません。これは、調査委員会が個人の責任を追及した組織ではなく、医療事案の原因究明、再発防止を目的とした調査機関であることによるものです。

尚、医療側の行為が医学的に大変不適切であって刑事手続きに乗せることが相当であると判断した事案については、現行法上も、捜査機関への通知が義務付けられています(刑訴法239条2項に基づいた告発義務)。これは公的機関として、調査委員会の調査が、刑事訴訟に前置される反射的措置と考えます。
 全国医師連盟試案は、★調査委員会を医療訴訟に前置すること、★医療過誤の有無を問わない患者家族救済制度を打ち立てることなど、従来にない試案となっています。
 この試案でも、財源問題や調査委員会の人的リソースの問題、将来的な業務上過失致死罪の改廃など課題は残っていますが、この試案の発表により、医療者と患者のみならず、政治家、法律関係者を含めた国民的論議が盛んとなることで、医療崩壊から医療再生に転換する契機となることを期待しております。