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緊急提言(2009.8.6)に対する各党からの回答

新党日本、日本共産党、国民新党、社会民主党、民主党から御回答いただきました。

また橋本岳前衆議院議員(自由民主党)からは個人見解として御回答いただきました。

選挙の準備でたいへんお忙しい中、御返事いただいたことに関して、感謝いたします。


全医連提言への回答

■新党日本
1. その通りだと思います。
 日本では人口1000人あたりの医師は、2.0人。ところがドイツやフランスでは3.4人、アメリカでも2.4人。
 産業構造を医療、福祉、介護中心にすべきだと考えています。
2.賛成です。
3.賛成です。
4.賛成です。
5.賛成です。
その他、医療政策全般に関しコメントがあれば記載をお願いいたします。
 少子・高齢時代には、右肩上がりの成長を求めるのではなく、成熟社会―医療、福祉、介護中心の社会にしなければなりません。そこに予算を集中し、雇用も確保=増員し賃金も上げていかなければならないと考えています。
 人間が中心となる社会にしなければ!政治が変われば生活も変わります。


日本共産党

【全国医師連盟の五つの緊急提言】についての公開貿間状への回答
1、日本の医療費の先進国並みの増額、医療による雇用創出、診療報酬における人的資源の費用の重視、診療報酬の策定過程の透明化などについて

〔回答〕
提言で指摘されているとおり、日本の総医療費はGDP比8・1%、公的医療費は同6・7%でサミット参加国では最低レベルです。国民の長寿化や医療技術の進歩によって医療費が増えることは本来、怖れるべきことではありません。医療・社会保障の充実に大きな経済波及効果や雇用創出効果があることは、政府も認めています。

日本共産党は、社会保障削減路線を転換して公的医療保障を拡充すること、診療報酬の総額削減をやめ、薬・医療機器にかたよった報酬のあり方を見直して、医療従事者の労働を適正に評価する診療報酬に改革することを公約しています。提言には全面的に賛成です。

2、急性期医療機関への受診の適正化(アクセスの制限)などの緊急避難措置をとることについて。

〔回答〕
医師の絶対的不足と「構造改革」による医療現場の荒廃のなかで、勤務医の労働環境はきわめて過酷になっています。この背景には、世界に例を見ない長期にわたる医師と医療費の抑制政策が根本にあります。日本共産党は、医療機関・患者の両方を苦しめる「医療費削減」路線を転換し、急性期医療の診療報酬の改革、救急医療への公的支援の強化、勤務医の過重労働の軽減をすすめます。今後の高齢化と医療需要の増大にそなえ、医師の計画的増員、窓口負担の軽減による病気の早期発見・治療の促進、国民の健康づくりなど、総合的な対策をすすめます。

同時に緊急的な対応として、小児の夜間診療や救急車の利用については、夜間医療相談ダイヤルの充実・普及などによって、受診数の適正化をはかることも重要です。また、兵庫県立柏原病院で取り組まれたように、深刻な実情を住民に知らせ地域の病院をまもる理解と共同を広げることも重要です。

なお、"重い窓口負担の維持≠ネどの方法でアクセスを制限することには賛成できません。窓口負担を苦にした受診抑制が低所得層で急増し、現に治療の遅れによる死亡事例が生まれています。負担能力による「命の格差」を拡大することになりかねません。

3、病床当たりの勤務医数の大幅な増員、労働環境の適法化について。

〔回答〕
提言で言われるとおり、病床あたりの医師増員、勤務医の過重労働の解消は急務です。
日本共産党は、医師数の計画的増員と同時に、勤務医の待遇・配置にかかわる診療報酬の引き上げを公約しています。勤務医のローテーション確保、代替要員の派遣、研修・学会参加の保障に対する公的支援、看護師・薬剤師・ケースワーカー・医療事務員などの増員も必要です。院内保育所の設置、女性医師の妊娠中の当直免除、産休・育休取得後の現場復帰の保障など、家庭生活との両立を国が支援することも求められます。提言を十分にふまえ、現場の医師の要求を真筆に受けとめながら、必要なあらゆる手立てをとってゆきたいと考えます。

4、医師の強制的な配置は医師を消耗させ、医師の診療能力の低下や医療供給の減少をまねくという点について。

〔回答〕
提言で指摘されるとおり、医師の絶対的不足や勤務医の過酷な労働環境を改善せずに強制的配置をおこなえば、医師の勤労意欲は損なわれ、診療能力は低下し、勤務医の離・退職をさらに加速するだけです。厚労省「医師の需給に関する検討会」の調査でも、臨床研修医の9割は、「条件によっては医師不足を抱える地域で働いてもよい」と回答しています。
医師の増員、勤務医の労働条件の改善をはかり、医師本人のインセンティブを重視した施策こそ推進するべきです。

5、医療事故を調査する機関の設置、医療事故補償基金の創設について。

〔回答〕
提言に全面的に賛同します。医療事故の問題を当事者まかせにし、もっぱら警察の捜査に責任追及をゆだねる現在の状況では、問題の解決も被害者の救済もはかれません。
日本共産党は、医療事故の検証と再発防止に取り組む第三者機関の設置を要求してきました。捜査機関の加入(介入?)に先立って事故の真相を究明する、公正中立な調査機関のすみやかな設置を実現します。今年1月にスタートした産科医療補償制度の抜本的見直しをすすめながら、諸外国のような幅広い医療事故に対応し、患者・家族の救済をはかる無過失補償制度の創設をめざします。


6、その他、医療政策全般に関してのコメント。
〔回答〕
高齢者への差別医療、急増する無保険者、深刻な医師不足、地域の拠点病院の消失。これらは、「医療費削減」の名で国民の命と健康を切り捨てる政治によって引き起こされたものです。そのおおもとには、日本経団連などの号令で始まった社会保障費削減路線があります。日本共産党は、財界の身勝手な要求にこたえて公的医療保障を切り縮める政治を転換します。「保険証一枚」あれば、だれでも、どんな病気でも医療が受けられるという「国民皆保険」の原則にもとづき、医療制度を土台からたて直します。

以上

■国民新党

1.医療費を先進国並みに増額し、医療を大幅な雇用剔出の場にすべきです。保険診療の診療報酬は、医療関適職の技術を含め人的資源にかかる費用を重視して、緻密なコストの積み上げで決定することと、その過程を透明化することが大切です。

【回 答】
国の医療費の負担は国際的に見て極めて低い環境にあり、国力に応じた先進国並みに引き上げる必要があり、国民新党は前回参院選以来、これを公約としている唯一の政党です。
診療報酬5億円増、医療設備充実5億(兆?)円増を実現し、医療費のGDP比をOECD先進国並みとする。全国にある多くの医療保険組合を統合し、医療保険制度を一元化する。


2.医療の需要は、現場の対応能力の限界をはるかに超えています。現場の医師がこれ以上疲弊しないために、国はこの問題を直視し、急性期医療機関への受診を適正化するなど、医療の需要を制限する緊急避難的な施策を真剣に検討するべきです。

【回 答】
患者の症状によって、適切な医療を受けられるような制度を医療機関の中に常設内在する。設置については、公的支援制度を設ける。


3.医療従事者が過剰労働で医療を支えている現状では、医療の安全は守られません。国と医療機関 の開設者は、病床あたりの勤務医師数を大幅に増員するよう努力し、労働環境の適法化に真剣に取り組む必要があります。


【回 答】
医師・看護師不足の解消のために、大学医学部定員の20%増などにより、今後15年間で先進国の平均的な医師数への到達を図る。同時に診療負担毎、地域毎のきめ細かい施策を医療拠点の集約化の両立により、今後ますます高まる医療需要に対応する体制を構築していく。

4.医師の計画配置は、過酷な労働環境が放置されたままでは不可能です。このような医療の現場に医師を強制的に配置することは、医師を消耗させ、結果的に医師の診療能力の低下を、ひいては医療供給の減少をまねきます。

【回 答】
新卒医師の配置を地域ごとの実情に応じたマッチング制度・研修体制の実現を通じて是正していく。同時に勤務医の過重労働を緩和するためのコ・メディカルスタッフの増員、職能分担の見直し、医師不足地域・診療科の報酬体系や補助制度の充実を図り、地域におけ る医療の安全・安心を高めていく。


5、医療の場で不幸な事態が起こったとき、捜査機関の介入に先立ち、刑事手続に付すことの相当性を検討する調査委員会の設置が必要です。また、医療事故補償基金を創設し、患者(家族)救済を図る必要があります。

【回 答】
医療の質の向上、患者家族の安心、医療現場の崩壊を防ぐため、わが国においても公的な第3者機関における医療事故調査委員会の創設と医療事故全般を対象とした無過失保障(補償?)制度を確立する。 国民新党は昨年春、参院予算委でこの問題をとりあげ、舛添厚生労働大臣に調査委員会の設置を約束させた。

その他、医療政策全般に関しコメントがあれば記載をお願いいたします。

【回 答】
医療の高度化を(と?)高齢化社会が進む中、今までのような医療費策削減路線の延長線上に国民の安心・安全はありえない。経済危機が叫ばれる今日だからこそ生活の基盤である医療・介護分野をしっかり守ることが、経済を含め、わが国の成熟した次なる成長につながると信じている。医療費亡国論の亡霊を一婦(掃)しなければならない。

国民新党は真水で3兆円と言っていますから、まさか5億円のはずないですけど、返事がないので訂正は不能です。他の誤植は訂正したところで文句は言われないでしょう。(黒川)

■社会民主党

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【持続可能な医療休制を実現するための全国医師連盟の五つの緊急提言】
2009年8月6日全国医師連盟

1.医療費を先進国並みに増額し、医療を大幅な雇用創出の場にすべきです。保険診療の診療報酬は、医療関連職の技術を含め人的資源にかかる費用を重視して、轍密なコストの積み上げで決定することと、その過程を透明化することが大切です。


回答欄
本衆議院選挙にあたり、社民党は「生活再建」を掲げ、「いのち」と「みどり」の公共投資-ヒューマン・ニューディールで新しい雇用を作ることを提案しています。医療費を少なくともOECD平均まで早急に引き上げ、医師、看護師、コ・メディカル・スタッフを増員します。診療報酬については、人的配置、技術、時間などについて引き上げます。特に、救急医療、小児科、産科について評価します。診療報酬の決定には、その過程の透明化とともに、医療サイドのみならず患者の視点を加えるべきです。


2.医療の需要は、現場の対応能力の限界をはるかに超えています。現場の医師がこれ以上疲弊しないために、国はこの間題を直視し、急性期医療機関への受診を適正化するなど、医療の需要を制限する緊急避難的な施策を真剣に検討するべきです。


回答欄
国が医療の需要を制限することは、新たな保険診療の制限につながりかねず、慎重を期すべきです。 都道府県もしくは市町村の広域連合に財源と権限、責任を持たせ、地域における医療施設の機能分化と役割分担、医師の集約化と診療所と病院の連携、医療と介護の連携を急いで行うべきであると考えます。医療空白区を拡げないように注意も必要です。 また、医療クラークの導入、離職している女性医師等の復帰促進などを行い、看護師・助産師の業務拡大も検討します。急病時の家庭での対処方法や受診の必要性に関する24時間電話相談も有用です。病院の実情、限られた医療資源について、住民の理解と協力を得るための仕組みも必要です。


3.医療従事者が過剰労働で医療を支えている現状では、医療の安全は守られません。国と医療機関の開設者は、病床あたりの勤務医師数を大幅に増員するよう努力し、労働環境の適法化に真剣に取り組む必要があります。


回答欄
多くの病院勤務の医師が、法定労働時間をはるかに超えるデットライン(→デッドライン【deadline】)まで超過勤務を強いられています。ゆとりのない過酷な労働環境が医療事故と医師不足を引き起こしていることは明白です。 病床当たりの勤務医師数の大幅増員のために国は財政支援を行うとともに、労働環境の適法化が必要であると考えます。


4.医師の計画配置は、過酷な労働環境が放置されたままでは不可能です。このような医療の現場に医師を強制的に配置することは、医師を消耗させ、結果的に医師の診療能力の低下を、ひいては医療供給の減少をまねきます。


回答欄
医師の強制的な配置は、本人の士気(→志気)を削ぎ、現場の混乱や医療の質の低下につながりかねず、行うべきではないと思います。とはいえ、地方の地域病院の医師不足は非常に深刻です。地域の中核病院が、住民にとって、どのような医療、医師が必要とされているのかを考え、医師を育てることができるよう国が積極的な援助を行うべきであると考えます。


5.医療の場で不幸な事態が起こったとき、捜査機関の介入に先立ち、刑事手続に付すことの相当性を検討する調査委員会の設置が必要です。また、医療事故補償基金を創設し、患者(家族)救済を図る必要があります。

回答欄
国が責任をもち、国民の理解を得ながら、「医療事故報告システム」(医療事故情報の収集・分析、その結果の共有)、「医療事故調査システム」(病院内と第三者機関)、「医療事故無過失補償制度」 を早急に確立すべきです。これらの制度によって、患者・家族が求める医療事故の真相の究明と再発防止、医療の質の改善をはかるべきであると考えます。


■民主党

1.医療人材、医師数、看護師数が欧米に比べて圧倒的に少ないという認識は与野党問わず、やっと去年の後半にできたと思いますが、医療費をどれだけ上げるべきかという考えは、民主党はコンセンサスがありますが、自民党はバラバラだと思います。 病院スタッフの中で一番数が多いのは特別な資格を持たない職員であり、世界共通ですが診療報酬を2.7%下げた02年からどんどん数が減っています。その分を看護師が補い、さらにそれを医師が補うという悪循環に陥っています。つまり病院の総収入が減少したら資格を持っていない人を雇えなくなったということです。病院の総収入が減るとサービスが低下し、過重労働を招くということの表れで、これを上げなければ良質な医療が提供できないと思います。 また、社会保険病院は平成15-17年度に経営効率化を徹底的に図り、その結果、17年度は49社会保険病院の中で赤字はゼロでした。ところが平成18年度にマイナス3.16%の診療報酬改定があり、赤字の社会保険病院が一気に14に増えました。これは経営効率化を徹底した病院の総収入が減ってしまったら病院経営は不可能であることの一つの証明です。効率化や無駄を省くことは大事ですが、もう限界だという認識です。このため、税の投入や診療報酬も含めて医療費を上げていく必要があるという結論が出てきます。 総医療費対GDP比をOECD加盟国平均まで今後引き上げていきます。まず、医師確保などを進め。看護師、医療クラーク、医療ソーシャルワーカー、医療メディエーター、補助者などの増員に努め、地域医療を守っている公益性のある医療機関の入院については、その診療報酬を増額します。その際、患者の自己負担が増えないようにします。4疾病5事業を中核的に扱う公的な病院(国立・公立病院、日赤病院、厚生年金病院等)を政策的に削減しません。 そのためには.各界・各層の代表の意見を幅広く聴取し、医療の抜本改革に関する目標と行程を定めた基本方針を策定、建議する会議体の枠範みとその情報公開が不可欠であり、民主党政権が責任を持ってその実現を図る体制を確立します。

2 医療は提供する側と受ける側の協働(共同?)作業です。兵庫県立柏原病院の小さな子どもを持つ母親が結成した「県立柏原病院の小児科を守る会」の取り組みによって、小児の時間外診療数が4分の1に激減しました。医療現場の実状を公開し、認識を共有することが何よりも大事です。

 医療人材、医師数、看護師数が欧米に比べて圧倒的に少ないという認識は与野党問わずやっと去年の後半にできたと思いますが、民主党が圧倒的に少ないという現状認識であるのに対し、自民党はまだ半信半疑であるような印象です。民主党は今後15年間で医師養成数を4万人、現役医師、コメディカルスタッフの有効活用によって実働6万人の増員計画を検討しています。

 周産期医療、小児医療、救急医療においては診療所、中核病院、救命救急センター等のネットワーク化が重要です。さらに、医学的管理(メディカルコントロール)が効率化、救命率の向上に不可欠ですから、救急業務を市町村から原則的に都道府県に移管し、都道府県の責任で救急本部業務と救急医療提供体制を連携させなければなりません。救急本部に救急医療の専門的知識・経験がある医師を24時間体制で配置します。救急本部は.通報内容から患者の緊急度・重症度を判断し、軽症の場合は医療機関の紹介等を行い、重症の場合は救急車や消防防災へリ、ドクターカー・ドクターヘリ等、最適な搬送手段により最も適切な医療機関に搬送できるシステムの構築をめざします。

3 医療崩壊をくい止めるため、医師養成の質と数を拡充します。当面、OECD緒国の平均的な人口当たりの医師数(人口1000人当たり医師3人)を目指します。大学医学部定員を1.5倍にします。新設医学部は看護学科等医療従事者を養成する施設を持ち、かつ、病院を有するものを優先しますが、新設は最小限にとどめます。地域枠、学士枠を拡充し、医師養成機関と養成に協力する医療機関等に対して、十分な財政的支援を行うとともに就学する者に対する奨学金を充実させます。

 救急、産科、小児、外科、へき地、災害等の医療提供体制を再建するため、地域医療計画を抜本的に見直し、支援を行います。医療機関の役割分迫を考慮した連携の推進、短時間正規勤務制の導入、国公立病院などの定数を増やし、地域医療の推持(維持)に資する兼業は解禁することなどにより、現役医師の活用を進めます。

 医師養成、活用策により実働医師数を増加させるとともに、医療従事者の勤務条件を改善し、勤務医の離職を防ぎ、国民に良質で安全な医療を提供します。医師の交代勤務制の導入を促進し、勤務医の不払い残業を是正し、当直を夜間勤務に改めます。大学病院などにおいて無給で働く医局員を常勤雇用とし、医療現場での労働基準法の遵守を徹底します。当直明けに勤務しなければならないなど医師の善意により医療提供が成り立っている状況では、医療ミスやエラーが発生しやすくなり、ひいては医療の質の低下を招きかねません。子育てや介護をしながら勤務する医療従事者が働き続けられるよう、また復職しやすいよう、院内保育所の整備やオープン化、保育所への優先入所、病児保育の充実、育児支援などを拡充します。市中病院とのバランスを考慮し、国立大学法人付属病院・ナショナルセンター運営費交付金および私学助成金の抜本拡充等により、これら病院の医員の待遇の改善に努めます。

 薬剤師、理学療法士、臨床検査技師などコメディカルスタッフの職能拡大と増員を図り、医療提供体制を充実させ、医療事故防止、患者とのコミュニケーション向上を図ります。専門的な臨床教育等を受けた看護師等の業務範囲を拡大し、医療行為の一部を分担します。病院勤務医が診療のみならず、診断書や意見書、紹介状の作成など事務手続きをしなければならないことにより、医師不足に拍車がかかっていることから、医師の事務を分担する医療事務員(医療クラーク)の導入を支援します。

4 昨年まで政府与党は医師は不足していない、偏在しているだけだと言い続けました。医師を強制的に配置すれば又、新たな偏在を生む事は自明の理です。まず必要なことは医療従事者を増員すると明言することです。その上で、医学生・研修医に日本の診療科ごとの偏在状況、不足状況を情報公開しなければなりません。志を持った医師はこのことだけでも偏在の解消に動き出すと思います。さらに、自分の将来の進路を決定する後期の研修段階で不足する科に対するインセンティブを付与することです。病院の取り組みに対する診療報酬の引き上げや税財源の投入、そして医師個人に対する業務手当て、研修手当て等や、病院に対する研修補充手当て等が考えられます。

 都道府県単位の協議体である「医煮従事者等確保支援センター(仮称)」を設置し、医療従事者が不足している地域の要望を受け、医療従事者の確保・あっせん、休職者の復職支援等を行います。同センターでの協議により承認された、地域医療の維持に資する兼業は解禁することなどにより、現役医師の活用を進める方針です。このほか、医師の国内研修や国外研修の支援、地域学士入学生に対する奨学金の支給、開業医による地域中核病院の外来診療や夜間診療の分担などを協議により促進します。

5 平成20年の統計では我が国の死者は114万人で、そのうち警察への届出が必要な不自然死体は16万人、変死体は1万5000人です。しかし、司法解剖、行政解剖が行われたのはわずか15700人、9%に過ぎません。我が国の死因救命(究明?)への取り組みのずさんさが垣間見えます。民主党は「死因究明2法案」を2年前に衆議院に提出し.成立を図っています。この死因究明法の中でその対象から医療提供関連死を除外しました。それは、刑事訴訟法をはじめとする日本の諸法令の中で分類される死体の三分類、自然死体・不自然死体・変死体のいずれとも異なった概念が医療提供関連死であるからです。科学的な原因究明がなければ三分類のどれに該当するかわかりませんし、日本人の80%が医療機関でなくなる現実の中で全てに第3者による死因究明・責任認定をすることは荒唐無稽な話です。さらに、医療における業務上過失致死傷罪の概念が定まっていない中で届出基準によってそれを定めようというのは本末転倒です。

 ご質問の捜査機関の介入に先立ち、刑事手続に付すことの相当性を検討する調査委員会の設置が必要との指摘は、まさに医療における業務上過失致死傷罪の医学的、法務的な検討が焦眉の急であるとの認識ではないでしょうか。その規定なくして委員会を作っても、それは擬似裁判に過ぎないように思われます。

 日常から、医療を提供する側と受ける側が情報を共有し、説明を行い、理解を高めることが何よりも重要でそのことが医療への不信を減少させ、不満を解消し、訴訟を減らす事につながると思います。患者・家族の立場に立って、医師・医療機関との意思疎通を円滑化する「医療対話仲介者(メデイエー夕ー)」を一定規模以上の医療機関に配置し、医療機関には、患者・家族への診療経過の説明、死因究明の努力、医療事故発生時の調査委員会の設置を義務付け、各都道府県に設置される医療安全支援センターが、院外調査チームによる調査や裁判外紛争処理事業者(第三者ADR)の紹介を行うことを柱とした『医療における患者の尊厳を保障し、安全・納得を得られるための法律』を成立させます。 事故情報については、指定分析機関への届出義務をすべての医療機関に拡大し,分析や再発防止策の提言体制を強化します。

 医療提供側の過失が明確でない医療事故により死亡もしくは高度の障害・後遺症が生じた患者を短期間のうちに救済するため、また、医事紛争の早期解決を図るため、すべての公的保険医療機関、薬局、介護施設において発生した医療等事故事例全般を対象に、訴訟提起権とは区別した公的な無過失補償制度を創設します。補償原資は保険料、健康保険料、公的支出とし、制度運営のための基金を創設します。これにより、産科のみならず、すべての診療科における訴訟リスクを出来る限り回避し、また、訴訟を提起しても医療側の過失を明らかにできず、補償を受けることができない患者側の負担も軽減します。
 無過失補償制度は国民皆保険にとってなくてはならないものであると思います。


回答原文PDF

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